東京都の販路拡大助成で動画制作費は使える?ゼロエミ販路は8月31日締切、対象になる動画の4条件

2026.08.18動画制作に使える度 ★★
REC 補助金・助成金 × 映像制作 東京都の販路拡大助成 動画は作れる? FIELDCASTER BLOG #37

東京都中小企業振興公社の販路拡大助成は、助成対象経費の一覧に「動画制作費」という項目名がそのまま並んでいます。しかも、どんな動画なら対象になるかが募集要項に条件として書かれています。いま受付中の「ゼロエミ販路」は2026年8月31日17時が締切、続く「課題解決販路」の第2回は11月10日からの受付です。この記事では、両方の令和8年度募集要項にそって、動画制作費の上限と条件、そして申請の順番を整理します。数字や日程は募集回ごとに変わりますので、最新の募集要項もあわせてご確認ください。

動画制作費は「販売促進費」に入っています(もらえる上限は20万円)

東京都中小企業振興公社には販路開拓を支援する助成金がいくつかあり、そのうち2つがいま動かせる状態にあります。どちらも助成限度額150万円・助成率3分の2以内で、経費区分の構成もほぼ同じです。

制度(令和8年度)申請受付助成対象期間対象になる商品
ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(販路拡大助成)
通称:ゼロエミ販路
2026年8月10日10時
8月31日17時
2026年11月1日
〜2027年11月30日
エネルギー/都市インフラ/資源・環境/気候変動適応 の4分野から1つ
課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成(一般枠)
通称:課題解決販路
第2回 2026年11月10日10時
〜11月30日17時
2027年2月1日
〜2028年2月29日
安全・安心/高齢者・介護・障害者/DX推進/暑さ対策 の4分野から1つ

経費区分は、販路開拓費(展示会等参加費、EC出店初期登録料、サイト制作・改修費)と販売促進費(印刷物制作費、動画制作費、広告掲載費)の2本立てです。動画制作費は販売促進費の中にあり、助成限度額は20万円とされています。助成率が3分の2なので、20万円を受け取るには税抜30万円(税込33万円ほど)の発注が目安になる計算です。募集要項では消費税は助成対象外の経費とされていますので、見積書の税抜金額で考えてください。助成額は千円未満切捨てです。動画だけで大きな額をまかなう制度ではなく、展示会出展などの取り組みに動画を足していく設計だと考えてください。

経費区分は2本立て。動画は右側にあります 販路開拓費(申請は必須) ・展示会等参加費(小間料・資材費・輸送費) ・EC出店初期登録料 助成上限20万円 ・サイト制作・改修費 助成上限20万円 この区分のどれかを必ず入れて申請します 販売促進費(単独では申請不可) ・印刷物制作費   助成上限50万円 ・動画制作費    助成上限20万円 ・広告掲載費    助成上限20万円 助成率3分の2以内/全体の上限は150万円 順番を間違えないでください 「動画だけ作りたい」では申請できません。展示会への出展やECへの出店、サイトの制作・改修と セットで計画を立て、その販路開拓を後押しする動画として位置づけます。

「販売促進費のみの申請はできません」

どちらの募集要項にも、経費区分「販路開拓費」の申請は必須であり、「販売促進費」のみの申請はできませんと書かれています。動画制作費は販売促進費側にありますので、動画だけを目的にした申請はできない、ということです。展示会に出る、ECに出店する、サイトを作り替える。そのどれかと組み合わせる計画になっているかを、先に確かめてください。

対象になる動画の条件は4つ、書かれています

ここがこの助成金の分かりやすいところです。動画制作費の欄には、対象になる動画の条件が並んでいます。ゼロエミ販路と課題解決販路で、記載はほぼ同じ内容です。

  1. 助成対象期間内に、展示会や自社ホームページ、YouTube等の動画サイトで放映し、助成対象商品をPRする制作物であること。 作って終わりではなく、期間内に人の目に触れさせるところまでが条件です。
  2. 外部に委託して制作するものであること。 対象外の例に「外部業者に委託せず、自ら制作する動画に係る経費」が挙げられています。社内で撮って編集した動画は対象になりません。
  3. 制作物に、助成対象商品および申請事業者名が映っていること。 募集要項は「商品名」ではなく「助成対象商品が映っていること」と書いています。商品そのものが画面に出ているカット(サービスなら使われている場面)と、申請した会社名が読める画面、この2つが必要だと考えてください。
  4. 撮影費やコンテンツの翻訳委託費も対象になります。 ただし動画制作費を対象経費として計上していることが前提とされています。海外や訪日のお客様に向けた字幕・吹き替えを考えている場合、ここは覚えておく価値があります。

対象外の例も具体的です。商品と事業者名が映っていない場合、展示会や動画サイトでの放映・使用状況が写真等で確認できない場合、素材の制作・購入だけを別契約にした場合、そして申請事業者以外(グループ企業を含む)の事業者名やブランド名が映っている場合が挙げられています。最後の1つは撮影現場で起きやすい話です。展示ブースを撮れば近くの他社の看板が入り、工場を撮れば取引先のロゴが入った資材が映ります。編集で消せない位置に他社名が入っていないか、撮影前の段取りで潰しておいてください

実績報告で出すものから逆算すると、撮り方が決まります

募集要項の提出書類の欄には、動画制作費について動画のサムネイル画像(助成対象商品の放映部分を含み、全体構成および総時間が確認できること)と、展示会や動画サイト等での放映が確認できるカラー写真・ハードコピーが挙げられています。完了検査時に現物の確認を行う場合があるとも書かれています。
つまり、納品して終わりにせず、展示会ブースのモニターで流れている様子を写真に撮る、動画サイトに公開した画面を保存しておくという作業が必要です。当日の記録係を決めておくと、あとで慌てずに済みます。

契約も撮影も支払いも、助成対象期間に入ってから

もう1つ、日程の注意です。募集要項には、助成対象期間内に契約・実施・支払が完了する経費が助成対象経費となると書かれています。展示会の小間の申込(契約)だけは例外として期間前でも認められる記載がありますが、動画はその例外に入っていません。

ゼロエミ販路の助成対象期間は2026年11月1日からです。8月に申請しても、審査は9月から10月、交付決定は10月末の予定とされていますので、動画制作会社との契約は11月1日以降ということになります。逆に終わりは2027年11月30日まで。この間に、契約・撮影・編集・納品・支払い・放映の記録まで収める組み立てが必要です。国の補助金と同じく、先に発注してしまうと対象外になる点は変わりません。この考え方は交付決定日と発注の順番を整理した記事にも書いています。

時期やること
〜2026年8月31日17時Jグランツで電子申請(ゼロエミ販路)。アクセスが集中すると処理が滞る場合があると案内されています
2026年9月〜10月書類審査・総合審査
2026年10月末交付決定の予定。採択・不採択の結果がJグランツで通知されます
2026年11月1日〜ここから契約・撮影・編集・支払いが可能に
〜2027年11月30日放映と支払いまで完了させる。放映の記録も残す

申請の前に確かめておきたいこと

ゼロエミ販路の対象は、東京都内で実質的に事業を行っている中小企業者(法人または個人事業者)です。都内に本店または支店の所在が確認できること、都税事務所発行の納税証明書を提出できること、直近2期分の確定申告書の控え(創業2期未満は1期分で可)を提出できることが要件とされています。また助成対象商品は、助成事業者自らが企画・製造し、自社製品・サービスとして単独で販売する権利を有している商品である必要があり、1種類を指定したうえで4つの分野から1つを選んで申請します。仕入れて売っている商品は、この条件に当てはまるかどうかを先に公社へご確認ください。
申請はJグランツによる電子申請で、利用にはGビズIDプライムアカウントの発行が必要です。アカウントの発行には国の審査があり時間がかかりますので、まだお持ちでない場合は締切から逆算してお早めに。

いま動かせるのは、書類の取り寄せと撮影の段取りです

申請そのものは事業者ご自身で行うものですが、締切までにできること、動画に関わる部分で進められることがあります。

発注先にも条件があります

募集要項の対象外経費には、委託した業務が企業ホームページの情報などにより主たる業務であることを確認できない業者への委託費、委託した業者からさらに別業者へ主要な業務または業務全部を委託する再委託が行われている経費、そして親会社・子会社・グループ企業等の関連会社との取引が挙げられています。見積を取る段階で、その会社が動画制作を本業として掲げているか、自社で撮影・編集まで行うかを確かめておいてください。
また見積書・契約書は1件の契約金額が税込30万円未満なら省略できるとされています。裏を返すと、税込30万円以上の発注では実績報告のときに契約書(または発注書と請書のセット)が必要になりますので、発注時に書面を残してください。

同じ内容で2つの制度に出すことはできません

募集要項の申請要件には、同じ年度の申請は一事業者につき1回まで、同じ内容(展示会・経費)について公社が実施する他の助成事業に併願申請していないこと、同じ内容で国・都道府県・区市町村等から助成を受けないこと、と書かれています。公社には展示会への出展そのものを支援する別の助成金もありますが、同じ展示会・同じ経費で二重に出すことはできません。どれに申請するかを先に決めてから、その制度の募集要項を読んでください。

出典と、確認していただきたいこと

この記事は2026年8月18日時点で公開されている情報にもとづく整理です。金額・日程・条件の記載は、東京都中小企業振興公社が公開している令和8年度「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(販路拡大助成)」募集要項および「課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成」募集要項によります。助成金は募集回ごとに要件・対象経費・助成率・日程が変わり、同じ年度でも内容が改められることがあります。申請の可否や経費の取り扱いの最終的な判断は公社が行いますので、必ず最新の募集要項をご確認のうえ、公社の窓口にご相談ください。当社は動画制作を行う会社で、申請の代行や採択の保証は行っていません。

よくある質問

自社で撮影して編集した動画でも、費用は対象になりますか?

対象になりません。募集要項の動画制作費の欄には「外部に委託して制作するものであること」と書かれており、対象外の例にも「外部業者に委託せず、自ら制作する動画に係る経費」が挙げられています。なお、素材の制作や購入だけを別契約にした経費も対象外とされていますので、企画から納品までを1つの委託として組み立ててください。

動画に他社の名前が少しでも映っていたら、対象外になりますか?

募集要項には「制作物に申請事業者以外(グループ企業含む)の事業者名やブランド名が映っている場合」が対象外の例として挙げられています。どの程度の映り込みまでを指すのかは書かれていないため、判断は公社にご確認ください。実務としては、撮影前にブースや作業場の掲示物を整理しておくのが確実です。グループ企業の名前も対象外の例に含まれている点は見落としやすいところです。

締切が8月31日と聞きました。いまから動画の準備を始めても間に合いますか?

動画そのものの制作は、むしろ急ぐ必要がありません。助成対象期間は2026年11月1日からで、契約・実施・支払がその期間内に完了することが条件とされているためです。いま急ぐべきは書類の取り寄せです。登記簿謄本や納税証明書は原本での提出が求められ、役所で取るのに日数がかかります(記事後半にまとめました)。Jグランツでの電子申請に必要なGビズIDプライムアカウントも、発行には国の審査があります。動画の見積書は、申請書に書く経費の金額を固めるためと、あとの実績報告のために用意しておくものです。

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