持続化補助金 第20回 公募要領の変更点|相見積の目安が50万円超に下がりました
補助金の公募要領は、公開されたあとも「版」が上がっていきます。小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回の公募要領も、2026年7月21日に第8版が公開されました。あわせて出た新旧対照表を読むと、前の回(第19回)から何が変わったのかが一覧でわかります。動画制作にいちばん効くのは、相見積が必要になる発注額の目安が半分に下がったことです。
今回の第8版で変わったのは4か所だけ
まず落ち着いていただきたいのが、今回の更新そのものは小さい、ということです。新旧対照表の冒頭に、第7版(第20回の最初の版・2026年5月27日)から第8版で変わったのは4か所と明記されています。表紙まわりの表記が2か所、過去に採択された事業者の再申請の条件、加点の条件の言葉づかいです。動画制作費の扱いは変わっていませんので、作りかけの見積書や事業計画をあわてて作り直す必要はありません。
うち1つは実利のある変更です。過去に持続化補助金を使った事業者の再申請について、第19回は「事業効果および賃金引上げ等状況報告書(様式第14)の提出を完了後、さらに1年が経過してから」でしたが、第8版では「提出を完了している場合に、申請が可能」となりました。以前に使ったからと諦めていた方は、読み直す価値があります。
動画制作にいちばん効くのは、相見積の目安の引き下げ
第19回からの変更で、動画をご検討の方にもっとも影響が大きいのがここです。第8版の「7.(9)発注先選定の相見積(2者以上からの見積)について」には、発注先(委託先)の選定にあたって発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)になるものは、2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選ぶように、と書かれています。第19回は「発注総額が100万円超(税込)」でしたので、目安が半分に下がりました。
これは特定の経費区分に限った話ではなく、発注先を選ぶときの共通のルールです。動画制作の外注も当然この対象になります。
相見積は価格の妥当性を確かめるためのもので、必ず補助事業者自身が別々の企業から取得するように、とも書かれています。取り方の手順や、いちばん安い会社を選ばなかったときの理由書については相見積もりと業者選定理由書の記事にまとめています。
広報費とウェブサイト関連費の書きぶりも入れ替わりました
動画の経費区分まわりも、第19回から第20回でかなり書き換えられています。主なところを並べます。
| 項目 | 第19回 | 第20回(第8版) |
|---|---|---|
| 相見積の目安 | 発注総額100万円(税込)超 | 発注総額(1件あたり)50万円(税込)超 |
| 広報費の説明 | パンフレット・ポスター・チラシ等 | インターネット広告・SNS広告等が追加 |
| ウェブサイト関連費の上限 | 補助金交付申請額の4分の1(最大50万円) | 30万円(税込) |
| 補助対象事業の要件 | 3つ | 4つ(補助事業終了時と比べた売上高・売上総利益の増加見込みが追加) |
| 補助事業の実施期限 | 2027年6月30日 | 2028年3月31日 |
広報費については、対象となる経費の例にも「商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成」「SNS広告、運用代行費」が加わり、動画をつくって広告として流す流れが要領の言葉で読み取りやすくなりました。
いっぽうで注意したいのが、第19回にあった「ウェブや動画に関する広報費用については、ウェブサイト関連費にて計上してください」という包括的な一文が削除されたことです。街頭ビジョンやデジタルサイネージの広告について、掲載料は広報費・流す映像の制作費はウェブサイト関連費、と切り分けていた記載もなくなりました。かわりに第20回で新しく書かれたのが、自社ホームページやECサイトで使う動画や写真の制作費用等はウェブサイト関連費で計上するという一文です。動画の制作費をどちらで出すかは、以前より個別の判断になったとお考えください。迷ったら窓口にご確認ください。経費区分の基本は第20回の経費区分の記事で整理しています。
対象外の例に挙がっている動画もあります
第8版で「対象とならない経費の例」に挙がっているもののうち、動画にかかわるのは会社案内パンフレット作成・求人広告(単なる会社の営業活動に活用されるものとして広報費の対象外)、有料配信する動画の制作費と有料の講座で使う動画や電子教材(ウェブサイト関連費の対象外)、補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページです。つくって終わりではなく、期間内に運用するところまでが必要という考え方です。もうひとつの新要件。「いくら増えるか」を書く必要があります
見落としやすいのが、補助対象事業の要件が1つ増えたことです。第20回では補助事業終了時と比べて売上高・売上総利益が増加すると見込める事業であることが加わり、市場や顧客ニーズの分析といった根拠とあわせて、その定量的な成果を補助事業計画(様式2)に書くことが求められています。動画をつくる計画なら、「公開して何がどれだけ増える見込みか」を数字で説明する準備が要る、ということです。
第20回は申請受付が2026年11月5日から12月15日17時まで、事業支援計画書(様式4)の発行受付締切が2026年12月4日、採択発表は2027年3月頃の予定と公表されています。交付決定より前の契約・発注は対象外になるのが原則ですので、撮影日から逆算する場合は逆算スケジュールの記事をご覧ください。ほかの制度の締切は補助金カレンダー2026(夏〜秋)に、要領の原文は事務局サイトや中小企業庁のサイトにあります。
金額・締切・対象経費は最新の公募要領で
この記事は2026年7月28日時点で公開されている第20回公募 公募要領 第8版および新旧対照表にもとづいています。補助金は回ごとに要件や対象経費が変わり、同じ回でも版が上がることがあります。補助率・上限額・締切・対象経費は、必ず最新の公募要領の原文でご確認ください。経費区分や相見積の最終的な判断は、事務局・商工会議所・商工会の窓口が行います。当社は動画制作を行う会社で、申請の代行や採択の保証は行っていません。よくある質問
動画制作を頼むとき、相見積もりは必ず2者から取らないといけませんか?
第8版では、発注先(委託先)の選定にあたって発注総額(1件あたり)が税込50万円超になるものは、2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選ぶよう求められています。経費区分を限定したルールではありませんので、動画制作の発注も対象になります。第19回は100万円超でしたので、目安が半分に下がった形です。事業内容の性質上どうしても見積を取ることが難しい場合は、随意契約の対象とする理由書を採択発表後から交付決定までに提出する扱いが示されています。
第8版になったので、準備中の申請書類を作り直す必要がありますか?
新旧対照表によれば、第7版から第8版で変わったのは4か所で、表紙まわりの表記、過去に採択された事業者の再申請の条件、加点の条件の言葉づかいです。動画制作の経費区分に直接かかわる変更は含まれていません。なお加点の変更は、地域別最低賃金額「以下」で雇用していた従業員が「未満」に改められたもので、対象になる範囲が少し狭くなっています。該当しそうな場合は対照表の原文をご確認ください。
公募要領は、これからも更新されますか?
公募要領自体に、必要に応じて改定されることがあるため申請時には最新版を確認するように、という趣旨の記載があります。第20回は申請受付が2026年11月からですので、それまでにさらに版が上がる可能性はあります。ダウンロードした日と版数をメモしておき、申請直前にもう一度取り直すことをおすすめします。
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